中京長寿医療研究推進財団について

理事長挨拶

2001年6月、日本老年医学会は「『高齢者の終末期の医療及びケア』に関する日本老年医学会の『立場表明』」を表明しました。終末期の医療とケアの状況においては、老人差別(エイジズム)が最も顕在化します。人としての根源的とも言える高齢者の権利を、そのような状況下であっても擁護・推進する、という学会の立場を明らかにしたものでした。
この立場表明の背景にある思想は、「我が国に生活するすべての人々は、人生の最終局面である「死」を迎える際に、個々の価値観や志向に導かれた最善の医療を享受する権利を有する。換言すれば、単に医学的な知識・技術のみではなく、他の自然科学や人文・社会科学を含めたこの国のすべての知的成果が個人に還元される権利を我々は持っている」というものです。
この考え方こそ、当財団の研究支援の姿勢と通底するものだと考えます。立場表明が表明されて20年以上が経つ現在、当時以上に老年科学は格段に進歩しています。遺伝子レベルでの老化メカニズムの解明は、「老い」に抗い若さを求める高齢者の期待を膨らませます。一方で、「老い」に逆らわずに自然の経過に身を委ねながら心地よく豊かに過ごす方策も医学以外の分野から提言されています。当財団は、そのどちらのベクトルをも包摂して、生活する人々に研究成果が還元されることを支援していきたいと考えています。

理事長 植村和正

略歴

昭和58年 山口大学医学部卒業
平成2年 名古屋大学医学部第三内科入局
平成2年 ボストン・ベス・イスラエル病院リサーチフェロー
平成3年 ノースウエスタン大学医学部リサーチフェロー
平成10年 名古屋大学医学部第三内科助手
平成14年 名古屋大学医学部病態内科学講座講師
平成17年 名古屋大学医学部総合医学教育センター教授
平成29年 愛知淑徳大学健康医療科学部教授
令和4年 愛知淑徳大学健康相談室長
令和6年 愛知淑徳大学健康栄養科学研究科長
令和6年 中京長寿医療研究推進財団理事長
  • 活動内容
  • 理事長のコラム
  • 賛助会員募集
  • お問い合わせ
TOPに戻る